たく、S3の野郎はよぉ・・・俺より年上なのになんで・・・
いけないわ。
は?つか、誰?
私はテルメ。星々を巡る女。そんなことよりもツヤロー。それはいけない。
テルメって・・・ 某スーパー銭湯 と同じ名・・・
それは言ってはいけないわ。
あ、さいですか。じゃ、ツヤローって・・・あっ!(ポンと手をたたく)
それも分かる人にのみ理解してもらえれば良い話よ。
はぁ。・・・で、なにが?
年齢で考える、というその思考。それは差別に値するわ。
・・・差別?
そう。それは性別による差別と同じ。年齢が上だから理解が早いだろう、という考え方自体、固定観念に基づいた差別なのよ。
・・・はぁ。でも、野郎は俺のようなアレな人とは違って、職歴があったりもするんですが。
それも同じ。前職があったからといって、勝手に期待値を大きくしてはダメ。なにか問題があったから、職を追われたという可能性も無くは無いのよ?
あー、それは確かに。でも・・・もしかしたら希望の職種だったのかも・・・
あなたにはそう見えるの?ツヤロー。
・・・いや、全くそうは見えませんけど。
必要とされるのはね、ツヤロー。『量』ではなく『質』なの。年齢という『量』で推し量ろうとするのは問題よ。飛び級で大学生になった子供に、
「あいつは××歳なのにこんな公式の証明も出来ないのか」
と言われる事、それとある種同義。もしそんな事を言われたら。ツヤロー、あなたはどうするの?
んーそれはぁ・・・どうしようもないですなぁ。・・・では、一体どうすれば・・・。
どうもできないわ。あえて言うならば、そういった固定された思考や概念を取り払う事、それが重要。その上で、プラスにもマイナスにも補正をかけない状態で思考し、行動しなくてはいけない。・・・私が言っている事分かるかしら?ツヤロー。
はぁ・・・まぁ。
そう・・・それはよかった。・・・そろそろ行かなくては。ツヤロー、あなたも一緒に来る?
は?いや・・・いいです。
そう・・・。永遠が手に入るのかもしれないのに、残念ね。
んー、別に必要としてないですし。
そう。・・・ではまた。そのうち会いましょう、ツヤロー。
・・・そのうち?ってもういないし。んー、少し考えてみようか。
(考え中)
あのさぁ。考え事の途中になんなんだけど。
う、うわっ!つや子さん、何時の間に!?
あんたが物思いに耽っている間によ。それよりも。さっきの人・・・テルメさん?が言っていたことは正論だけど。逆に言えば、「年齢なんて気にせず、失敗したら注意しろ」ってことでもあるんだからね。あんまり気にすると仕事にならないわよ?あんたの場合、指導も仕事のうちなんだから。
あ、それは確かに。・・・ん?そういえば、つや子さんも性差別的なアレがあったりしましたか?
あるわよ。ま、全て力でねじ伏せてきたけどね。
うはっ、怖っ。
ところであの人・・・何者?
へ?通りすがりの人っぽかったけど・・・なんで?
んー、私と同じか、それ以上の修羅場をくぐってきた香りがしたんだけど。・・・気のせいかな。
はぁ?だって、つや子さんと同じレベルだと・・・えー!?だってー・・・
そうなのよ。かなりの強者ってことになっちゃうんだけど・・・ま、気のせいかもしれないし。あんまり気にしないでね。じゃ。
じゃ、って・・・ちょっとつや子さーん。・・・気になるよー。ふがっ。